フレーバーテキストって何ですか? ナショナルエコノミー・メセナ

●フレーバーテキストって何ですか? ナショナルエコノミー・メセナ

どうも、早乙女です。

今回はフレーバーテキストって何ですか? ナショナルエコノミー・メセナの話をします。

音声はこちらから。

人生にそっくりなボードゲーム

個人的に超面白いと思っているボードゲームの1つが、ナショナルエコノミーです。

労働者を使役してお金を稼ごう! とまるで世界の縮図なゲームでして、これがとてつもなく面白いんです。

資産家みたいに労働者を使役するのが楽しいとかサディスティックな趣味ではなくてですね、ゲーム性が良いというか、なんだか現実みたいなところがあるところがすごーく面白いんです。

このゲームは、全体的に「あと一手足りない」感のあるゲームです。

理想的にこういう手を打てれば最強なんだけれども、今持っている自分のリソースだと、ギリギリ届かない。

だから3段階くらい下の選択肢を選ぶしかない、、、みたいな感じです。

これってとっても現実的だと思って、現実でも「これをやったらいいことは分かっているんだけれども、できないから何個か下に落としたプランで許容するしかない」ってことが大量にあると思うんです。

このゲームをやっていると、「あと1人労働者がいればできたのに!」とか、「あのカードが取られなければできたのに!」みたいなことしかなくて、本当に現実っぽいなぁ、と思ってしまうんです。

このギリギリを攻めていく中でいかに自分が建物を建てたりしてお金を稼ぐかの勝負です。

このナショナルエコノミーは現在3本指に入るくらい大好きです。

ナショナルエコノミーは現状3作品出ていて、そのまま無印のナショナルエコノミー、ナショナルエコノミー・メセナ、ナショナルエコノミー・グローリーの3シリーズになっています。

この中でルールに大きな変更はないのですが、ナショナルエコノミー・メセナをやったとき面白いなぁ、と思ったことがありました。

カードには一枚一枚、「フレーバーテキスト」が載っています。

ゲームに関係ないからこそ神が宿る

フレーバーテキストって何かご存知ですかね?

そのテキストというか文章自体は効果が一切ないけれども、ゲームを面白くする要素になるテキストです。

フレーバー、まさに香りってことです。

例えば消費財と呼ばれるカードには「同一品目の消費財から得られる効用には限度がある」なんて限界効用逓減の法則が書かれていて経済っぽいなぁ、と思っていました。

あの、1杯目のビールはとてつもなくおいしいけれど、3杯目になるともういい、ってなる法則です。

フレーバーテキストの中で特に面白かったのが、「食品工場」というカードで「手札を2枚捨てて4枚引く」という効果です。

そしてこの「食品工場」に書かれていたフレーバーテキストが、「何故か原料より出荷量の方が多い」と書かれていて大爆笑しました。笑

確かに、その通りだと、工場なのに入ってくる量より出ていく量が多いってどんな工場だよ、中で何されてるねん、ってとても面白しろかったんです^^

手札を2枚捨てて4枚得られるって、ゲームの内容にも即していて、上手い文章だな~と感激でした。

で、あるときふとこのナショナルエコノミー・メセナを生み出したスパ帝国というボードゲームメーカーさんがいらっしゃるんですが、そこにデザインノートが乗っていたんです。

そこにはカードの効果の話とか、このカード効果ってどうなんだろうとシナジーについての考察やコンセプトの話などが書かれていて、裏話がかかれていたんですね。

これを知るととてつもなく面白いんですね。

個人的には考えられたゲームほど面白いと思っていて、ちょっと話がずれますがまた細部に神が宿ると思っています。

要素要素はもちろん合体した時のバランスが神がかっている

今回のナショナルエコノミー・メセナでも、無印のときに比べてカードの効果や組み合わせ、シナジー効果が強くて、前面に押し出されている感じなんですね。

シナジー効果っていうことは無限ではないですけれども大量にあるカード効果を掛け合わせたらものすごい量になるんで、そのバランスをとるのか、細かく考察されていることであったりとか、前作の時点でも面白いのに前回から課題を探して、善した要素を入れていたりだとか、「これが面白くないワケがない」そんなゲームに仕上がっていたんです。

加えてさっき言ったようにフレーバーテキストも秀逸で、またカード名、例えば「宝くじ」や「食品工場」など納得のいく、まあフレーバーテキストがあって大爆笑するものもありましたが、本当にスキがないくらい面白いんです。

バランスというのを考えればとてつもなく難しくて、また下手したら完成すらできないこともあり得るほどの考察量だと思います。

何かを作ろうとして、でも考えることが大量にありすぎて、「あーっ!」と頭をかきむしることも良くあると思います。笑

でもそれを乗り越えていて、完成していて、本当にこれはスゴイボードゲームだと言わざるを得ません。

特にゲームバランスがカード効果の組み合わせと無限に近くて何通りも考えたら発狂しそうなことまで素晴らしく鞘に収まっていて、製作した人を考えるともう称えていいんじゃないかと思えるレベルです。笑

それにとどまらずゲームには直接関係のないフレーバーテキストやカード名、デザインも練られていてぴったりで、まさに神は細部に宿っていて言う事なしの最強のボードゲームだと思っています。

知的なゲームとして3本指に入るとても良いゲームだと思います。

今となっては絶版になっていて、買うことすらままならないので、本当に買ってよかった1品でした。

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